相談事例一覧に戻る

生活保護の申請支援

〜憲法25条が語るもの〜

相談事例

 2006年3月、ひとりの路上生活者(Kさん:男性52歳)が相談室に見えた。土木建設業の作業員として働いていたが、仕事が減り放り出されてしまい、友人のアパートに転がり込んだが、そこにも長くは居られずに、やむなく路上生活者となってしまったものである。
 福祉事務所と折衝を重ねる中、まずは住居が定まらねば生活保護の対象にもならず、まずは住居の確保が緊急の課題となった。ユニオンサポートセンターに集う人材を活用し、住居の確保に成功、保護申請の第1関門はクリアすることができた。
 4月に入り福祉事務所に対して生活保護申請。各種審査を経て4月20付けで保護申請が認められたものの、半年近くにわたる不安定な生活にあったため、まずは体力回復に努めながら、就労活動を開始することを目標に生活が始まり、一定の安定した生活がスタートした。
 しかしながら、Kさんは運転免許がないため就労活動も難航、また、長年にわたる低賃金労働に従事する中、自主・自立の意欲に欠けることもあり、福祉事務所からの就労指導にも十分応えられなかったため、2007年2月に入り、第27条及び第4条により、まずは能力の活用が十分になされていないこと、指導・指示に従わなかったため一旦生活保護が停止となった。


【生活保護法第27条(指導及び指示)】
保護の実施機関は、被保護者に対して、生活の維持、向上その他保護の目的達成に必要な指導又は指示をすることができる。
2 前項の指導又は指示は、被保護者の自由を尊重し、必要の最小限度にとどめなければならない。
3 第1項の規定は、被保護者の意に反して、指導又は指示を強制し得るものと解釈してはならない。
【第4条(保護の補則性)】
保護は、生活の困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを用件として行われる。

 生活保護により最低限度の生活を維持してきたことにより、保護の停止はライフラインを断ち切ることとなった。ガス・電気・水道・電話各料金が未納となり、ガスは供給が停止、電気・水道・電話も停止の寸前となってしまった。そのため、4月に入り保護の再開を求め再申請。申請が受理され生活は一定の軌道に乗り始めたが、保護費受領後仲間と飲酒したことが発覚し、保護廃止の決定が生活保護法第28条の規定によってなされた。
 しかし、彼は就労することがかなわず、収入は全くなく、6,7,8の3ヶ月まともな食事をとることもできず、又、ライフラインの料金も支払うことができなかったため、ガス・水道・電話の供給がストップ、電気も通電ストップの寸前までとなり、当センターでは、行政に対し生活保護の再申請をおこなった。幸い認められたことによって現在その最低生活が維持できているのが現状である。
(小松清志)


生活保護と課題

 生活保護法第4条に定める「能力の活用」いわゆる就労活動であるが、運転免許もなく、中高年齢の人間にとっての就労は、求人倍率が1倍を超えたとはいえ、はなはだ困難であり就労支援に何らかの手立てが必要と考える。
 今全国的に生活保護の運用をめぐって異変が起きていると言われる。生活保護の申請ができずに、あるいは生活保護を打ち切られた結果、孤独のうちに「餓死」する人々が増加していると言われる。
 1990年当初のバルブ崩壊後、我が国の労働者が置かれる立場は極めて不安定化し、全労働者の3分の1は、臨時・パート・アルバイトなどの不安定雇用に従事している。年収200万以下のいわゆるワーキングプアと呼ばれる労働者も1000万人を超え、大きな社会問題となっている。また、このような状況から職場を追われ、ハローワークに通い詰めても職にありつけない人々も増加に一途をたどっている。
 国をはじめ行政と住民が一体となったセーフティネットづくりが求められている。

   
 このサイトをお気に入りに登録  
 
 相談無料・秘密厳守 電話は0263-39-0021  
   
Powered by
Movable Type 3.2-ja-2
 
 
 © NPO Union Support Center All rights reserved.