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有期雇用をめぐる「雇い止め」問題

相談事例

相談者は、食品販売のパートとして働く北安曇郡在住の女性(29歳)。 会社は一般食品店としては全国14位の売り上げ実績(2004年3月期)をもつ大手で、東京に本社をおいている。 女性は、2003年(平成15年)に採用され、2ヶ月ごとの雇用更新を繰り返してきたが、 3年前に親会社が変わってから会社が雇用保険に加入せず、有給休暇をもらえないなどの法違反状態が続いた。 今年2月、労働条件をめぐって上司に不満をのべたところ、3月末になって「あなたは不満があるようなので、辞めて下さい」 と雇用契約を打ち切る旨伝えられた。

女性は、職場で働く同僚ら4名と組合を結成。会社と団体交渉をおこなったところ、雇い止めは撤回された。女性らは、今パート社員の社会的地位の向上をめざし、労働条件の改善などに取り組んでいる。

会社には、千名を超える正社員と1年雇用の契約社員がいるが、現場ではたらく約4千名のパート・アルバイトは全て2ヶ月の不安定雇用者で占められている。

「雇い止め」とは

期間を定めた労働契約の期間満了に際し、使用者が契約の更新を拒絶することを「雇い止め」と呼んでいる。
なお、契約が拒絶されない場合、期間満了後も労働契約が事実上継続すれば、明示的な更新でなくとも、同一の 労働条件での契約の黙示の更新となる。(民法629条1項)

ポイント

そもそも、有期雇用の契約期間には法的制限がある。

労基法は、期間の定めにないものを除き、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは、1年を超える期間について締結してはならない、としていました。これは、労働者が不当に長い期間契約を拘束されないための措置とされています。近年、経営者側からこの契約期間の規制を緩和して欲しいとの要望が出され、平成11年(1999)年の労基法改正では、例外的に3年までの有期契約を締結できる事になり、さらに、平成15年(2003)年の法改正では、原則的に3年までの有期雇用が可能となるとともに、(1)専門的な知識、技術又は経験等を有する者をそれが必要とする業務に雇い入れる場合、 (2)満60歳以上のものを雇い入れる場合、については5年までの契約を結ぶことが認められた。

期間満了に際して更新拒絶(雇い止め)がなされる場合でも、過去に契約が反復更新されるなど一定の要件を満たす場合には、 解雇権濫用法理が類似適用され、雇い止めが無効とされる場合がある。

雇い止めの有効性の判断は、雇用の人事性・常用性、更新の回数、雇用の通算期間、契約期間管理の状況、雇用継続の期待を持たせる言動・制度の有無、労働者の継続雇用に関する期待の相当性等の諸要素によって判断される。

最初の期間満了の際でも、更新拒絶が権利濫用とされる場合がある。

(文責:荒井宏行 投稿者:ユニオンサポートセンター)

   
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