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松本市道の拡幅計画区間にアパート建築進む

相談事例

今年1月、相談者から松本市が奈良井川右岸堤防上の市道で進めている道路拡幅工事の計画区間において、道路拡幅計画を尻目に、着々とアパート建設が推し進められている旨の相談が寄せられた。この問題は、松本市議会6月定例会で一般質問でも取り上げられた他、マスコミでも大きく報道された。
 この道路は、「市道5005号線」と言い、奈良井川右岸堤防上の道路で、下二子橋下流から旧国道158号線奈良井大橋上流までの区間を定めたものである。
 松本市の道路改良計画では、南北幹線の一つに位置づけられ、全体整備計画は、下二子橋下流から島立橋までの延長730mを整備区間とし、現状数メートル程度の幅員から11mに拡幅整備されることとなっている。
 平成15年度から19年度までに実施される松本市第3次道路整備5カ年計画では、平成19年度末の進捗状況は一部完成とし、完了延長は150m、完了予定区間は、下二子橋下流から県営笹部弥生団地までとなっていた。この下二子橋下流150mについては、既に平成19年度末を待たず完了しており、残る未整備区間は、整備済みの終点から島立橋までの約580mであって、この580m区間においては、多数の一般住宅や集合住宅が並び、道路整備には多額の費用と一定の期間を要するものと考えられ、予算化にともない、順次、道路拡幅工事がおこなわれる。

ところがこの整備区間において、整備計画の終点となる、最も重要な位置にあたる島立橋東交差点のすぐ道路脇のところで、建物(アパート)の建設が現在着々と推し進められていることが判明した。将来、道路拡幅工事の支障になることは明らかであるが、この建物の建築確認申請は、2005年の7月20日に、長野県建築住宅センターが受け付けし、7月28日には確認済みとされていた。
・松本市は改正建築基準法に基づき、確認済み後、同住宅センターから報告を受け、建築の着工を知ったとしている。(建築確認済証の写しが、法の定めによって市の建築指導課に通知され、その後8月に入ってから建設課に合議されたもの)

問題点と改善すべき課題

このような経緯から松本市は事前調整ができず、すでに建築が進行中という異常な事態を招いた。 この問題の背景には、規制緩和の一環として、建築確認事務が民間機関でも行なえるようになったことが大きい。現在、建築確認事務は松本市内だけでも、松本市のほかに2つの民間確認機関でもおこなわれている。さらに、建築確認申請は全国どこの確認機関へ提出しても良いことになっており、市の道路計画と整合を図るためには、全国の全ての建築確認機関へあらかじめ道路計画を周知しておかなくてはならない。しかし、それは到底不可能である。・この事務は本来行政の許認可事務であり、松本市道の管理や計画の責任は松本市にあり、これら両事務事業の間には当然、整合性と調整機能が働いて然るべきであったが、今回その機能が働かなかった。まさに行き過ぎた規制緩和の問題であり、法の不整備である。・この問題を解決するにあたり、松本市は、6月議会の一般質問に対する答弁で、建築確認事務にかかわる改善策として、今後は、建築確認申請を受け付けた段階で建築確認機関から市町村長へ連絡がされるよう、建築基準法の運用面での改善を県にも相談しながら対策を講じていくとしている。また、当該の道路計画路線については事業認定を取得し、今後、土地収用法に基づく処理を現在検討しているとしている。

(宮下正夫)

   
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